2012/07/09
あれから今日でちょうど1年。
去年の今日、横浜は梅雨明けでした。
朝の散歩途中、ジュジュがいつも以上に歩かない。
歩けない。
顔を見ると、言葉にできない顔。
なんと表現していいのか...
二度と見たくない顔としか言えないです。
よだれがだらだら。
目の焦点は合ってなくてうつろ。
歩こうとしても歩けない。
おかしい。
絶対におかしい。
熱中症とは思えなかったので、
すぐに近くの動物病院へ連れて行きました。
点滴と検査の結果がでた2時間後。
またもや地獄にドカーンと。
『肝外型門脈シャント』
胃・小腸・大腸・脾臓・膵臓から集まった血管、
これが門脈というらしいです。
門脈は肝臓に流れて、栄養吸収や毒素退治、
細菌の撲滅をして、大静脈に血を送り込みます。
その血が心臓に入り、大動脈を通って血は巡ります。
門脈シャント(門脈体循環シャント)という病気は
先天性のものです。
先天的に、門脈の一部が肝臓に入らず、
そのまま大静脈にバイパスしてしまっています。
肝臓を通らない血液は、栄養が吸収されないため
肝臓も身体も成長できません。
そして、毒素が解毒されず体内をまわってしまうのです。
ジュジュは毒素が脳に入り込んだために起こる
「肝性脳症」という症状で、シャントの典型。
血液検査でアンモニア数値が高いし、ほぼ確実。
この病気は、日常生活で非特異な症状しか出ません。
なので発作や特有の症状が出て検査して初めてわかる。
そういう病気だそうです。
確かにジュジュは食欲不振でヒステリックでした。
それは性格だと思っていたのです。
違いましたね。
ジュジュの闘病生活が始まりました。
投薬と食餌療法。
大きい病院を紹介してもらいました。
日本動物高度医療センター。
X線、全身麻酔での造影剤を使ったCTスキャン。
結果、獣医師から聞いた言葉はつらかったです。
「門脈シャントです」
たいてい1才未満で発症する病気です。
軽いうちに手術して、95%は肝臓の発達もできる。
つまり普通の犬、普通の生活ができるそうです。
3才直前での快復はあまり例がないこと。
手術できるかどうかも開腹しないとわからないこと。
手術できたとしても、門脈高血圧症になりやすい。
つまり、バイパスした門脈を縛ってしまうことで
肝臓への血圧力が高まり負担がかかりすぎること。
目の前が真っ暗になりました。
ここでジュジュを失うことは自分を失うこと。
また「死」という文字が脳みそグルグル。
獣医師がセンター内で協議した結果、
「手術可能」ということになりました。
バイパスしている血管を縛って流れを止めます。
そういう手術です。
ただし、そう、「ただし」がいっぱいです。
門脈高血圧症を防ぐため、少しずつ縛っていくので
1回では終わらないかもしれない。
多発性門脈シャントの可能性もあり、
見えないシャントがあれば完治はない。
担当の獣医師が言いました。
「手術が出来るだけでも助かる可能性があるのです。
獣医師としてではなく1個人として言わせてください。
ジュジュちゃんに手術を受けさせてあげてほしい」
手術をする決断をしました。
助かる可能性がちょっとでもあるのならば。
借金してでも手術をするべき。
(ほんとに借金しましたけど(笑))
そして、わたしの命を救ってくれたジュジュ。
今度はわたしがジュジュを救う番なのです。
7月22日入院。
23日11時から手術。
15時、無事終了。
4時間の大手術でした。
ICUでジュジュに会いました。
全身麻酔でボ~っとしているのに、
わたしの声を聞いて一生懸命立ち上がろうとします。
この生命力。
この強さ。
感動で涙があふれ出てきます。
止まらないんです。
獣医師が来て、
「ジュジュちゃん、手術成功しましたよ。
1回で縛ることができました。
幸い、見える細いシャントはありません。
本当によく頑張りましたよ」
と言いました。
地獄から天国にのぼった感じがしました。
翌日。24日。
面会に行きました。
点滴つけたままガラガラ歩く患者さんみたい。
おなかの傷は18針。

でもジュジュは元気です。

ちょっと顔がぐちゃぐちゃですけれど(笑)
1週間後、30日退院。
これまでずっと一緒にいてくれたフラガールと。

センター内で愛想ふりまきまくって、
医師や看護師の人気を不動のものにしたようで。
頭に「ひまわり」がついてます...
これ以後、センターに行くたびにいろいろと。
ま、おかげで今年のテリア展イベントで優勝(笑)
(この時は頭にチョウチョがのっかってました)
退院時。

2週間後に抜糸。

傷は綺麗です。
センターにはお世話になりました。

ジュジュの発症を機に、いろいろ考えました。
わたしのライフスタイルや将来のことについて。
当時のわたしのライフスタイルは、
9時~24時まで働き、休みは週1日の時も。
常に余裕がなく、お義理で散歩してました。
高タンパク質のフードでジュジュの体調に異変。
気づきませんでした。
肝性脳症は、前兆に「徘徊行動」があります。
確かにありました。
気づきませんでした。
うろうろしているなって、それだけだったのです。
そこでおかしいと感じることができなかったのです。
でも、わたしはとても恵まれていました。
近所の動物病院で「門脈シャントかも」と診断。
これは奇跡に近いことらしいです。
たいていの病院では熱中症と診断されたり、
大きな病院に紹介されるだけだったり。
そして、できない確率が高かった手術ができたこと。
しかも1回でできたこと。
生検で肝硬変の兆候はなかったこと。
もちろん全ての数値が正常になったわけではないです。
シャントが再発した例が多くあるのも事実です。
夜中にジュジュがトイレでうろうろしていると
「徘徊?再発?」と心臓がバクバクします。
それでも今、投薬もなく療法食でもなく元気なこと。
獣医師たちに感謝しています。
とてつもなく落ち込んだわたしを近くで支えてくれた
フラガールとわたしの母、友人たち。
感謝してもしきれないくらいの「ありがとう」
ジュジュが入院しているあいだ、てぃだが救世主(笑)
一緒に「土曜ワイド劇場」みました。
まるこさん、あいつが犯人です
いや、てぃだくん、あの人、さっき死んじゃった人(汗)
いろいろ笑わせてくれました。
この時、生き方を変えたいと心から思いました。
長時間通勤や長時間労働をやめました。
無理して事務仕事をするのもやめました。
心身が元気であること=気持ちにゆとりがあること。
飲食の世界にドップリ浸かってみました。
なんだかわたしの世界が見つかった気がしました。
ジュジュは今、普通食で過ごしています。
でもタンパク質はなるべく低く、肝臓に負担かけないように。
調べて調べて、ジュジュに合うフードがありました。
おやつもありました。
肝臓に負担をかけない生活を心がけています。
犬の身体の構造に興味を持ちました。
面白いです。
なにはともあれ「無理しない」「できる範囲で」
気持ちが軽くなったら、やりたいことが出てきました。
(単純ですから)
ずっとやりたかったB&Bをあきらめたわけではなく、
その前にやりたいこと。
今、そのために動き始めました。
前向きに動き始めるとまわりも動くものです。
その動きに乗り遅れないように...
そして、いつも支えてくれる友人たちに感謝し、
元気をくれるでびるずに感謝しています。
1年前の今日を思い出し、今までの流れに心熱くなり、
気づいたらとっても長くなっていました。
老後、読み応えがありそうですね(笑)
もし最後まで読んでくださった方がいらしたら...
心からお礼申し上げます。
前のブログと内容かぶっているので二度目の方、
すみません。
わたしもでびるずもとっても元気です。
日常生活に幸せを感じています。
1年前の今日は想像もしていなかったですね。
今のわたしのこと。